さぁ!大会にも慣れてきたぞ、これからはNationals予選も控え競技イベントに参戦だ!と意気込むプレイヤーの皆さんも多いでしょう。
週末のSkirmishでTop8をかけた試合の前にこんな質問が出ました。
「IDしてもいいですか?」
IDとは合意の上での引き分けるIntentional Drawsです。MTGを競技プレイしていれば耳馴染みのある言葉ですが、はて、ルールにはなんと書いてあるのでしょう。
3.4a Intentional Draws
トーナメントルールより
Players may intentionally draw a game at any time. An intentional draw results in both players receiving 0 match points.
困りましたここには引き分けは勝ち点0と書いてあります。
そう、どんなに長丁場でも戦わなくてはならないようです。
その場にいた海外勢に確認してみるとIDの文化はないとのこと。その場は対戦の流れになり大会が終わってからこんなツイートを見かけました。
なるほど賢い。『価値の生み出さない引き分け』よりも『価値のある負け』と言う手もあると言うことですね。
この引分勝ち点0はBO1形式の国産TCGに多く存在しており、また、引き分けそうなプレイヤーが何らかの”無作為”な方法で勝敗を決めるのはポケモンカードゲームで取られる手法のようです。
ただ、この話すんなり飲み込めないのがMTGの畑のプレイヤーになります。
GP(過去のイベント)で耳馴染みのあるアナウンスを思い出して下さい。
「勝敗をダイスロールなど無作為な方法で決することは認められていません」
そんなフレーズ聞いたことはありませんか?かなりMTGに寄ってるゲームでそんなことってできるのか分からなかったので一旦このようにお伝えしました。
この連絡をしてからRule of Rathe(ルール関連が調べられる神アプリ)を開き一通り勝負に関するキーワード検索をしてみましたが、何の成果も得られませんでした。
一旦ここはMTGのルールでどこに記載があるか分かればいいだろうとL2ジャッジの友人に連絡して「イベント規定内の5.2買収」の項目にあることが分かりました。そこからはFaBもルールも同様の項目があるだろうと確認しますが、買収関連しか書いてありませんでした。
買収
試合や競技の結果を決定するために報酬やインセンティブを提示または受け取ることです。
例には、以下が含まれます(これらに限定されません):
・将来の降参の代わりに降参することを提案する
・試合勝利の代わりに金銭を提供する
・プレイヤーや公式戦の担当者に贈り物を提供して、普段なら行わない行動を誘発する
・試合結果に関連する賞品分配(例:降参や意図的な引き分けのための分割)以外は、プレイヤーが賞品分配を提供することを許可されています。
試合や競技の結果を決定する合意がない限り、プレイヤーが将来的な賞品を平等に分割することは、贈収賄には当たりません。
トーナメントルール5.2より翻訳
これでは手詰まりです。ここまで来たらその道のプロに聞かないといけないといけません。ここは台湾で日本コミュニティのサポートをしてくれている台湾のKaiさんに聞くかと質問してみたところすぐに返信がありました。
「ペナルティガイド」があるからそこの5.4の項目を確認してねと
買収とは、試合や競技の結果を決定するために報酬やインセンティブを提示または受け取ることです。
例には、以下が含まれます(これらに限定されません):
・将来の降参の代わりに降参することを提案する
・試合勝利の代わりに金銭を提供する
・プレイヤーや公式戦の担当者に贈り物を提供して、普段なら行わない行動を誘発する
・試合結果に関連する賞品分配(例:降参や意図的な引き分けのための分割)以外は、プレイヤーが賞品分配を提供することを許可されています。試合や競技の結果を決定する合意がない限り、プレイヤーが将来的な賞品を平等に分割することは、買収には当たりません。※スプリットはok
不正な勝者の決定による試合敗北
ペナルティガイド5.4より翻訳
プレイヤーが自分の行動によって、試合を最後までプレイすること以外の手段を使用したり、使用することを提供したりして、勝者を決定する場合を指します。これには、そのような手段の結果に基づいて対戦相手を降参させるように操作することを含みます。
理念
プレイヤーが試合の結果を決定するためにインセンティブを提供または受け入れる場合、それは贈収賄と見なされます(5.5節-買収を参照)。プレイヤーが不正な勝者の決定が違反であることを知っている場合、それは不正行為と見なされます(5.2節-不正行為を参照)。
やっと結論が出ました。
競技ではプレイすること以外の手段で勝敗を決めることはできません。
明らかに不利な盤面で引き分けに持ち込むようなら投了を選択する方が両者に価値のあるゲームです。正々堂々と戦い抜きましょう。
また、カジュアルプレイでは2.4の規定の中にスポーツマンシップに則るようにといったニュアンスの記載があります。つまりはプレイ以外の方法での勝敗の決定はスポーツマンシップとは程遠いので控えるべきでしょう。
この記事を書くにあたり引用を許可してくれたインスマスさん、確認に協力をしてくれたKaiさん、友人に感謝致します。
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